

ゆとりの空間 企業コンセプト
家族の暮らしは、きれいに整っている日ばかりではありません。少し散らかっていたり、予定通りに進まなかったり、会話が少ない日もある。それでも同じ食卓を囲み、同じ時間を重ねていく。その積み重ねが、家族という関係をつくっているのだと思います。
このプロジェクトでは、そんな日常の姿を出発点に、事業全体のコンセプトを見直しました。理想の暮らし方を提示するのではなく、今ある暮らしをそのまま受け止めることから考える。その姿勢を、言葉と設計の両方で整えていく取り組みです。
導き出された言葉が、「さもない家族で、いましょう。」です。
“さもない”とは、価値がないという意味ではありません。特別すぎない、飾りすぎない、無理をしないという態度のことです。背伸びをしないでいられる関係。がんばりすぎなくていい居場所。日常のままにいられる安心感。その等身大の状態を、そのまま肯定する視点を表しています。
この考え方の背景には、栗原心平さんが、栗原はるみさんのそばで長年、仕事と暮らしを通して学んできた価値観があります。料理も、道具も、言葉も、特別な日のためだけではなく、毎日のためにあるということ。続けられること、繰り返せること、負担にならないこと。その実感を、会社のメンバーへ共有し、事業の判断基準として言語化しました。
本プロジェクトでは、コンセプト開発にとどまらず、その思想を具体的な形へと展開しています。WEBサイトの構造設計とトーンの再整理、商品開発の方向性の言語化、ラインナップの考え方の統一、伝え方の基準づくりまでを一貫して設計しました。見え方だけでなく、選び方や届け方にも、この考え方が通るように整えています。
コンセプトは、掲げるための言葉ではなく、日々使うための言葉です。迷ったときに立ち返れる軸であり、判断のよりどころになります。
きちんとしすぎないこと。
無理に整えすぎないこと。
暮らしを、暮らしのまま大切にすること。
その姿勢を、事業、WEB、製品のすべてに通わせていくためのコンセプト設計です。

クライアント : 株式会社ゆとりの空間
事業内容 : 生活雑貨の卸・製造・販売、レストラン
コンセプト / ウェブサイト ゆとりの空間
ウェブデザイン:天野和俊デザイン事務所

