

iittala オフィシャルサイト コンセプト・デザイン
北欧ブームの火付け役とも言えるブランド、iittala(イッタラ)。
日本では長く百貨店を中心に展開され、すでに高い認知と人気を獲得していた。
そのiittalaが、日本で初めて旗艦となる公式オンラインショップを立ち上げる。
この事実は、一見すると自然な流れに見える。
しかし私たちは、あえて立ち止まった。
すでにこれほど知られているブランドが、
なぜ今、オフィシャルWEBを日本で立ち上げるのか。
その意義はどこにあるのか。
単に売るためのECサイトであれば、選択肢はいくらでもあった。
しかしそれでは、iittalaが日本に与えてきた影響や、
長い時間をかけて育まれてきた価値を、
あまりにも雑に扱ってしまう。
そこで立ち上げたコンセプトが、
「FULL_」 である。
このプロジェクトの目的は、
「これからのiittalaを先導すること」ではなかった。
むしろその逆である。
これまで日本にどのような影響を与え、
どんなプロダクトが生まれ、
どんな時間を人々の生活に残してきたのか。
その事実を一つひとつ丁寧に整理し、
視覚化し、記録として残すことを最優先に据えた。
オフィシャルだからこそ、
新しい物語をつくるのではなく、
「iittalaのすべて」を正面から引き受ける。
このサイトは、売り場ではなく、
いわば 博物館のようなスケールで構想されている。
商品を並べるのではなく、
iittalaというブランドが積み重ねてきた全体像に触れてもらうための場だ。
その姿勢は、制作プロセスにも徹底して反映されている。
すべての商品を改めて撮影し直し、
実施した物撮りは4,000点以上。
既存の素材は使わず、
「いまのiittala」を、もう一度ゼロから記録した。
コンセプトビジュアルでは、
一画面に並べきれないほどの商品をレイアウトし、
文字通り iittalaの“FULL”を体現している。
それは情報量の多さを誇示するためではない。
これだけの積み重ねがあって、
初めて今のiittalaが存在しているという事実を、
身体的に感じてもらうためである。
このプロジェクトで行ったのは、
ECサイトのデザインではない。
ブランドの全体像を、公式としてどう残すかという決断である。
FULL_ とは、
足し算でも、拡張でもない。
これまでのすべてを、
誤魔化さず、抜け落とさず、
そのまま差し出すという姿勢の表明だ。
公式とは、主張する立場ではなく、
引き受ける立場である。
その覚悟を、コンセプトと構造の両方で示したプロジェクトである。


クライアント : 株式会社スキャンデックス
事業内容 : 北欧関連リビング商品の正規輸入・販売
コンセプト / オフィシャルサイト
ウェブデザイン:小麦株式会社

