ロマンの庭で見えるもの、ロマンの館で魅せるもの

ロマンの庭で見えるもの、ロマンの館で魅せるもの

THE FORTUNE GARDEN KYOTO(FGK)|事業コンセプト

                                                                                                                                                

THE FORTUNE GARDEN KYOTO(FGK)は、単なる結婚式場でもレストランでもない。歴史という時間の蓄積と、人のこれからを交差させる場として立ち上がった空間である。

京都の中心に佇むこの館は、1927年に建てられた建築を、現代のための場として更新した存在だ。アーチ型の門、丸い窓、光と影が重なる内部空間。そこには時間が滞留しながら、未来へ流れていく気配がある。建築そのものが、過去と現在をつなぐ装置になっている。

しかし、歴史があるだけでは価値は立ち上がらない。価値は、そこでどんな時間が生まれ、どんな記憶が刻まれるかによって初めて輪郭を持つ。FGKの本質は、過去をなぞることではなく、歴史の厚みを、いま体験できる時間へと変換する点にある。

そのために必要なのは、用途の定義ではなく、体験の定義である。何を提供するかではなく、どんな時間をつくるのか。この問いを起点に、事業全体のコンセプトを再設計した。

結婚式という機会も、単なる儀式としてではなく、人生の節目をこの場所で刻む理由をつくる行為として捉え直した。空間の力に寄りかかるのではなく、空間と人の時間が重なった瞬間にこそ価値が生まれるよう、体験の質を中心に据えている。

レストラン機能も同様である。ただ食事を提供するのではなく、日常と非日常の境界を静かに揺らす時間を設計する。料理、サービス、光、動線。それぞれを個別に整えるのではなく、過ごした記憶として統合されるよう構成した。

ここでは、過去と未来が同時に存在している。再現でも演出でもない。この場所でしか起こり得ない時間の立ち上がりをつくること。それ自体を事業の中核に据えている。

FGKのコンセプトは、機能の集合ではなく、時間の編集である。歴史を背景にするのではなく、歴史を素材として使う。その思想を、空間と体験の両面から具体化したプロジェクトである。

クライアント : 株式会社プラン ドゥ シー・FORTUNE GARDEN KYOTO
事業内容 : ホテル・ウェディング・レストラン・パーティー
コンセプト / コンセプトブック
デザイン:松尾由佳 [ Nica