

NIPPON VISION 4 展覧会ネーミング開発
47都道府県の伝統工芸を、現代の生活へと接続するためのシリーズ企画。その第4回のテーマは「伝統工芸とアクセサリー」。私たちはこの展覧会におけるネーミング開発を担当した。
人が身につけた瞬間に、アクセサリーはファッションになる。だがこの展示で焦点を当てたのは、その逆の状態だった。——誰に装われることもなく、ただそこに在るアクセサリー。自らの形と素材だけで立ち上がる存在。まるで足を持ったアクセサリーたちが、静かに整列しているような光景を思い描いていた。

伝統工芸の品々は、すでにそのような自立性を備えている。長い時間を経て磨かれた形は、誰かの身体を介さずとも、確かな気配を放つ。今回の企画では、その「自立したものたち」を、現代の感覚で呼び起こすことが目的だった。
ネーミングは、その思想の入口となる言葉である。過剰に語らず、しかし展示の芯を射抜くもの。ことばの音、間、字形、印刷されたときの質感までを含めて検討を重ねた。シリーズ全体を束ねる「NIPPON VISION」という名に連なる“4”という数字は、単なる回数の記号ではなく、新しい視点の始まりを示す印のように置かれた。

「アクセサリーが立つ」という発想は、同時に「工芸が立つ」ということでもある。素材の力、手の記憶、形の緊張。それらが一つの線上に並び、群としての美を構成していく。展示空間では、装飾品というよりも、小さな建築のようにそれぞれが佇む。その静けさの中に、時間と人の営みが重なっていく。
名を与えることは、世界に輪郭を与えることに似ている。名があることで、ものは他と区別され、同時にひとつの方向性を持つ。ネーミングとは、その最初の線を引く行為である。私たちは、展示の空気に溶け込みながらも、そこに確かな構造をもたらす“言葉のフレーム”を求めた。
「NIPPON VISION 4」という名前には、伝統の中に眠る普遍と、現代の身体性を結ぶ意志が込められている。工芸品が再び現代に歩み出すための一歩。
アクセサリーは、もう誰かを飾るためではなく、自らの存在をまっすぐに立ち上げていたのかもしれない。
クライアント : ディアンドデパートメント株式会社
事業内容 : 生活雑貨・家具の卸・オンライン販売・小売
ネーミング
デザイン:ディアンドデパートメント株式会社

